塩素除去シャワーヘッドを使用することで、アトピー等の皮膚疾患の改善に効果があるのかを調べて見ました。
皮膚病と入浴の関連について
ちかかね皮膚科の医師の方曰く、
皮膚病(湿疹・アトピー性皮膚炎・皮脂欠乏性湿疹・手湿疹・痒疹・貨幣状皮膚炎など)で皮膚科の外来患者さんの80%近くが入浴の影響を受けています。
ここで影響としているのは主に痒みと紅斑(赤み)です。
とのことなので、入浴という行為は思っている以上に肌に影響を与えるものだということがわかります。
入浴による影響の主な原因は2つ。
水温と塩素です。
結論から言うと、アトピーの原因は人により様々ですが、塩素を除去する事で症状が改善したというケースも多いようです。
出典・引用 ちかかね皮膚科|入浴の影響(温度と塩素)
入浴温度と塩素の影響について
こちらの図は、『入浴温度の変化により肌に与える影響』についての統計グラフです。
ちなみに下のnの数字はサンプル数(統計学で回答を得た人数)なので、この図の場合は110人中のパーセンテージとなります。また回答者は患者さんなので、なんらかの皮膚疾患を煩っている方を対象としたもののようです。
これを見ると約6割(59,1%)の方が水温による肌への影響があったという結果なので、敏感肌の方は40℃以下での入浴が望ましいようです。
こちらの図は、『塩素を除去した事で皮膚の症状がどうなったか?』という回答の統計グラフです。これを見ると約7割(69,9%)もの人が塩素除去に対して改善効果があったという結果がでています。
189人中たった1人だけ悪化した方がいるようですが、考えられる原因としては、塩素除去効果が無かった方で、かつ、たまたま体調が崩れて悪化してしまったというケースではないでしょうか。
塩素が肌への影響に関係しているか調べる方法
実際に塩素除去シャワーヘッドを使ってみるのが一番手っ取り早い方法ではありますが、皮膚病の原因に、塩素はあまり関係なかったというケースももちろんあります。
こちらの皮膚科の先生は、まずシャワーを止めて、数日間お風呂にビタミンCを投入することで塩素を除去し数日間様子をみるという方法をすすめています。
その結果、多少なりとも改善したと感じたら、塩素が悪化の原因の1つになっているので、その後、改めて浄水シャワーヘッドを購入すればよいとのことです。
風呂に投入するビタミンCの量については、お住まいの地域の塩素濃度によりけりではありますが、
次亜塩素酸ナトリウムNaClOの分子量は74.44
ビタミンC (C6H8O6)の分子量は186.12と、大体3倍の大きさ
水道水のNaClOの濃度が1 ppm (= 1 mg/L)だとすると、
1 Lの水道水のNaClOを還元するのに必要なビタミンCは3 mgとなります。
塩素濃度が1ppmと高い数値であると仮定した場合、風呂一杯あたり約200ℓに対し、ビタミンC600mg(0、6g)投入することで完全に除去することができます。
もし
『夏だからシャワーですませたい』
『湯船にお湯を張るのが面倒』
『いつも朝に風呂に入るのでそんな時間が無い』
という方は、手っ取り早く塩素除去シャワーを試してみるのもよいかもしれません。
ちなみに安価なシャワーヘッドだと大体3000円程度で購入できます(ろ材も込みの価格)。
どのろ材の浄水シャワーを使ったらいいの?
塩素除去シャワーヘッドのろ材選びは重要です。
永久に使えるとうたい文句にしているセラミック式シャワーヘッドは当クリニックの2例の測定結果では全く塩素除去の効果がありませんでした。
とのことなので、現在主流であるビタミンC、亜硫酸カルシウム、活性炭の中から好みのものを選べば良いと思います。
各ろ材の違い、特徴等についてはこちらの記事をご覧下さい。
終わりに
皮膚疾患のお悩みの方は、風呂の塩素除去を試してみる価値は十分にあると感じます。
約7割もの方に改善効果があったという結果を考えると、かなり確立の高い改善方法であることは間違いありません。
気になった方は、塩素除去シャワーヘッドやビタミンC粉末を試してみてください。
またお使いのボディーソープや、ボディータオルなどの影響も考えられるのでそれらを変えるという方法も有効だと思います。
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